はじめに
秋は釣り人にとって最も待ち遠しい季節の一つです。特に太平洋側では、イイダコの釣りシーズンが到来します。イイダコ釣りは手軽に楽しめる魅力たっぷりの釣りスタイルで、初心者から上級者まで幅広く人気があります。今回は、秋のイイダコ釣りの魅力や基本的な釣り方、おすすめの釣り場などについて詳しくご紹介します。
イイダコ釣りの基本
イイダコ釣りの醍醐味は、小さなイイダコを狙う爽快感にあります。そのため、釣り方も比較的シンプルです。まずは釣り場や仕掛けの種類、狙い方などの基本を押さえましょう。
釣り場と狙い時
イイダコの生息域は比較的狭く、岸沿いの浅場が有望な釣り場となります。特に砂泥地の岩礁地帯や、漁港の堤防周辺がおすすめです。また、夜間から明け方にかけてがイイダコの活動が活発になる時間帯なので、狙い時も重要になってきます。
釣り場の潮流も無視できません。潮の流れにあわせて疑似餌を這わせることで、イイダコにアピールしやすくなります。干潮時の潮止まり周辺や、堤防際の淵などが好ポイントです。
仕掛けと釣り方
イイダコ釣りの仕掛けは主に2種類があります。1つはテンヤ仕掛けで、ラッキョウなどの餌の実物を付けたものです。もう1つがスッテ仕掛けと呼ばれる、疑似餌を使った仕掛けです。
仕掛けの種類 | 特徴 |
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テンヤ仕掛け |
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スッテ仕掛け |
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釣り方は、仕掛けを海底に沈めた後、小刻みにロッドを動かしながら待つというシンプルなものです。アタリを感じたら、すばやくアワセを入れましょう。スッテを使う場合は、疑似餌のアクションを活かすため、よりリトリーブを工夫する必要があります。
人気の釣り場
イイダコ釣りの本場は太平洋側の各地にあり、釣り人に親しまれています。中でも特に人気の高い釣り場をご紹介しましょう。
和倉港
和歌山県の和倉温泉にある和倉港は、イイダコ釣りの名所として知られています。釣り用の竿やエサなどの付帯設備が整っており、初心者でも気軽に楽しめることが大きな魅力です。釣り場は砂地と岩場が入り混じった環境で、朝夕が狙い時となります。
和倉温泉に滞在しながら、源泉かけ流しの温泉と海の幸を満喫するのもおすすめです。旬のイイダコはお土産にも最適です。
富津港
千葉県の富津港も秋のイイダコ釣りの本場です。ここでは独特のテンヤ釣法が行われており、専用の擬餌として「ラッキョウ」が使われます。おだやかな海が広がる釣り場では、家族連れやカップルなど初心者も多く見られます。
最盛期には「イイダコ釣り大会」が開催されるほど、富津港はイイダコ釣りの人気スポットとして名高い場所です。大潮の日に釣りに出かけると、良型のイイダコに出会えるチャンスがあります。
横浜・東京湾
関東地方に住む釣り人には、横浜や東京湾がおなじみのイイダコ釣り場です。船釣りでエギングスタイルが一般的で、透明な疑似餌をゆっくりと這わせて狙います。最近は資源保護の観点から、釣れすぎに注意が必要です。
釣れたイイダコは、新鮮で肉質も良く、お造りや天ぷらなどで楽しめます。東京湾では時化の影響を受けやすいため、釣り船の行程と時間にも気をつける必要があります。
釣り方のコツ
イイダコ釣りは手軽ですが、技術を磨けばさらに釣果がアップします。ここではコツや高級テクニックについてご紹介しましょう。
アワセのタイミングとロッドコントロール
イイダコ釣りの肝は、アタリを感知してからのアワセにあります。小さなイイダコのアタリは非常に細かく、タイミングを逃すと逃してしまいます。ゆっくりと慎重に合わせる必要があり、ロッドコントロール力が試されます。
ベテラン釣り人はロッドの先端の動きを見ながら、重さ変化を感じ取る”重さ渉”を身につけています。このようなさまざまな感度を磨くことで、上手にアワセて釣果アップにつなげられます。
釣り具の選び方
ロッドはしなやかさと同時にパワーも求められます。パワフルテトラなどの2本継ぎのショートロッドが適しています。リールはスムーズな巻き上げが重要で、シーバスゲームなどに使うコンパクトな電動リールがおすすめです。
仕掛けはスッテがベーシックですが、太めのメインライン(号数14号程度)と細めの先糸を組み合わせるとアピール力が上がります。先糸にはナイロン素材をチョイスするのもポイントです。
アプローチの仕方
釣り場に到着したら、まずは船の停船位置を数か所かえながら、狙い的を探り当てましょう。おもな狙い的は岸からの延長線上、岸から10メートル程の砂地帯や、防波堤の淵など海底の起伏のある場所です。
潮の流れに合わせ、順流とグループ流で疑似餌をゆっくりと這わせながら探ります。スッテを尻上がりにして潜り込むように這わせると、より良いアピールとなります。こうした工夫で、イイダコの反応を引き出しやすくなります。
おすすめの釣り具
次に、イイダコ釣りをはじめる際のおすすめ釣り具を紹介します。初心者でも扱いやすく、お求めやすい価格帯のアイテムをご紹介します。
ロッド
- ダイワ キャタリナ IC 63ML-S (約6,000円)
- シマノ ディアルーナ S86M (約8,000円)
いずれも2本継ぎの長さ約1.9mの汎用性の高いバスロッドです。パワーもあり、イイダコ用に最適です。高級モデルでなくても、入門用としてはおすすめです。
リール
- ダイワ レグザ LT 3000D-XH (約6,000円)
- シマノ ストラディックSW 4000XG (約8,000円)
コンパクトな電動リールですが、パワーは十分にあります。巻き上げがスムーズなので、手返しの良いイイダコ釣りに適しています。今後のステップアップも見据えた、コストパフォーマンスに優れたモデルです。
ライン・仕掛け
- 東レ ナイロンライン レックス湾岸エギングスペシャル 14号 150m (約2,000円)
- シマノ タコスッテEX 極小スッテ(10号/ハリス0.8号) (約1,000円)
太めのメインラインと細めの先ハリを組み合わせることで、アピール力の高いイイダコ釣り専用の仕掛けが作れます。疑似餌のスッテは極小サイズで、小型のイイダコにも対応できます。100円ショップなどでラッキョウ型のおもりも売っています。
まとめ
秋の到来とともに、イイダコ釣りのシーズンが幕を開けました。手軽に気軽く楽しめるイイダコ釣りは、初心者から上級者まで幅広く親しまれています。基本を押さえつつ、釣り場や仕掛け、釣り方のコツを掴めば、さらに釣果アップも期待できます。
太平洋側の名所や和倉温泉、富津港などでは、イイダコ釣りを目的とした旅行プランも用意されています。釣りを楽しんだ後は、新鮮なイイダコを使った絶品グルメを堪能するのもおすすめです。釣りと旅行、グルメを組み合わせた秋の思い出作りにぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか。