はじめに
夏のエギングは、アオリイカの活性が最も高まるシーズンです。朝まづめや夕まづめ、そして夜間にかけてアオリイカが表層付近に上がってくるため、絶好の釣機に恵まれます。ただし、高水温や日差しの強さから来る熱中症のリスクにも注意が必要です。本記事では、夏のエギングを有意義に楽しむためのさまざまなコツをご紹介します。ポイント選び、タックル選び、釣り方のテクニックなど、幅広い視点から解説していきますので、ぜひ参考にしてください。
ポイントの選び方
夏のエギングで狙うべきポイントは、大きく分けて以下の3つです。
潮通しの良い場所
アオリイカは潮の流れに乗って移動しますので、潮通しの良い場所を選ぶことが重要です。磯の先端、島の海峡、堤防の先端などが代表的なポイントとなります。時間帯によって潮の流れが変わるため、朝と夕方で狙う場所を変えるのがコツです。
また、潮が引いた後の干潟は見逃せないポイントの1つ。干潟では小魚が溜まりやすく、アオリイカもそれらを求めて干潟に近づいてくるでしょう。オーバーキャストすると期待以上の釣果が得られる可能性があります。
藻場の周辺
アマモ場やガラモ場など、藻の生え揃った場所の周辺はアオリイカの好適地です。藻場には小魚が集まりやすく、産卵のためにもイカが訪れます。藻の上をエギでダートすれば、警戒心の強いイカも反応してくれるかもしれません。
ただし、藻の中に引っかかるとエギがロストする危険性があります。適度な距離を保ちながら、藻の縁付近を狙うのがおすすめです。エギの色やアクションの変化に柔軟に対応することで、よりアピール力の高い釣りができるはずです。
河口域
河口付近は産卵した親イカよりも、早生まれの子イカが集まりやすい場所です。満潮時に押し寄せる河川水には、プランクトンなどの餌資源が含まれているため、子イカがたくさん集まってくるのです。
この場所を攻略するには、潮周りを把握して満ち潮から下げ潮にかけて狙うのがベストタイミングになります。親潮とともにたくさんの子イカが流れ込んでくるでしょう。1投1釣がかなう可能性すらあるポイントなのです。
タックル選び
夏のエギングではアオリイカの活性が高いため、適切なタックル選びが釣果を左右します。
ロッド
ロッドは7フィートから8フィートの長さがおすすめです。これらの長さがあれば、潮の流れに乗せてエギを投げやすくなります。またシャクリなどの操作性も高まります。穂先の硬さは、ややしっかりめのものを選ぶと良いでしょう。
アオリイカはパワフルな引きを見せるため、ロッドのしなり余力にも注目が必要です。穂先の硬さとしなり余力のバランスが大切なポイントです。ロッドを選ぶ際は、使用するエギのサイズやターゲットのサイズを考慮しましょう。
リール
リールは軽量でスムーズな巻き上げ性能が求められます。微妙なアタリも見逃さないように、キビキビとした動作が重要です。ベイトリールはもちろん、専用のエギングリールを選ぶのも賢明な選択になるでしょう。
ラインに関しては、PEラインを合わせて使う編み方が一般的です。PEラインにフロロをトップショットとして結び付けるのが定石的な編み方です。PEの号数は0.4号から0.6号、フロロは4ポンドから6ポンドあたりを選ぶと良いでしょう。
エギ
エギのサイズは2.5号から3.5号が主流です。地域や時期によってベストなサイズは変わってきますので、現地の情報をリサーチするのが賢明です。ベーシックなカラーはもちろん、季節やポイントに合わせて色々なカラーを用意すると良いでしょう。
また、近年はエギ王Kシリーズ、アオリーQ、墨族など、アオリイカ専用のエギも注目されています。イカの活性に合わせてエギを使い分けることで、より確実な釣果が期待できるはずです。
釣り方のコツ
ポイントやタックル選びだけでなく、釣り方のテクニックにもコツがあります。エギを操作する技術を高めることで、確実に釣果アップにつながります。
ダート釣り
ダート釣りは夏のエギングで最も基本的で重要な釣り方の1つです。エギを水面すれすれまで持ち上げ、シャクリなどの大きな動きを入れてアピールすることで、イカのスイッチを入れることができます。
表層付近を遊泳するアオリイカに対して、ダートはエギをしっかりとアピールできる最適な方法なのです。多くのエギンガーが得意とするテクニックでもあり、長時間のダートを続けられる体力作りも怠れません。
レンジキープ
レンジキープとは、ある一定の水深でエギを泳がせ続けることを指します。サーモクラインという、水温の変化によって生まれる密度の境界面があり、その付近にアオリイカが集まりやすいためです。
密度の変化を探るためにも、ある程度深めに落とすことがポイントになります。見切り発車で浅すぎても、逆に深すぎてもアオリイカとの遭遇率は下がってしまいます。様々なレンジを試しながら、攻略のヒントを見つけていきましょう。
飛距離の確保
アオリイカの探り方を工夫する上で、キャスト飛距離を確保することも重要なポイントの1つです。遠くのポイントまでエギを届けられるか否かが、釣果を左右する大きなカギとなるのです。
ウェイトの重めのエギを選んだり、ロッドのしなりを利用したキャストを心がけたりと、自分に合った飛距離確保の方法を見つけることが大切です。とにかく遠くまで撃ち込める力を身につければ、釣果がさらにアップするでしょう。
夏場の環境対策
夏のエギングでは、暑さ対策も怠れません。熱中症のリスクをしっかりと認識し、休憩を適切に取りながら釣行を楽しむことが重要です。
暑さ対策アイテム
熱中症対策には、帽子、クールリングタオル、スポーツドリンク、冷えピタなどを常に携帯するのがおすすめです。休憩時にはこれらのアイテムを上手に活用し、体を冷やしましょう。
日焼け対策にも気をつけましょう。夏の強い日差しを長時間浴びていては、日焼け止めクリームだけでは十分ではありません。日陰を見つけての休憩も大切なポイントになります。
雷雨への備え
夏はスコールに見舞われることも多い季節です。雷雨を事前に察知できれば被害を最小限に抑えられますが、落雷の危険がある際は速やかに退避する必要があります。
雷雨の接近をスマートフォンアプリなどで確認しながら、危険を回避できるよう十分注意を払いましょう。雷鳴が聞こえたら速攻で陸に上がり、落雷から身を守る行動を取りましょう。
まとめ
夏のエギングは、活性が高いアオリイカを数多く狙えるチャンスの多い時期です。ただし、暑さなどの環境にも気をつけながら、適切なポイント選びとタックル選び、そしてアピール力の高い釣り方のテクニックを身につける必要があります。
本記事で紹介した情報を参考にしながら、熱中症対策など安全面にも十分注意を払えば、夏のエギングを有意義に楽しむことができるはずです。高活性なアオリイカを狙い、大物との遭遇も期待できるチャンスの多い夏を、限りない思い出に変えてみてはいかがでしょうか。