はじめに
秋といえば、釣り人にとってイイダコ釣りのシーズンです。日が落ちた後、海水が冷え始める頃、イイダコは活発に動き回り、エサを探し始めます。釣り人たちは竿を手に、港や磯に集まり、イイダコと格闘を繰り広げます。今回は、秋のイイダコ釣りの魅力と、釣り方のコツについて詳しく解説していきます。
イイダコ釣りの面白さ
イイダコ釣りは手軽にできる釣りながら、奥が深く、熟練を要する面白い釣りです。釣れたイイダコはその場で美味しく食べられるほか、新鮮な状態で持ち帰れば、様々な料理に活用できます。
ファミリーで楽しめる
イイダコ釣りは小さな子供からお年寄りまで、誰でも手軽に挑戦できる釣りです。道具さえあれば、港や磯からでも気軽に釣りを楽しめます。家族揃って釣り体験をすれば、良い思い出にもなるでしょう。
初心者でも難しくはありません。慣れないうちは浅い場所で徐々に腕を磨いていけば良いのです。仕掛けを海底に落とし、少し待ってみましょう。小さなアタリを感じたら、そっと糸を巻き上げるだけです。子供も夢中になれる面白さがあります。
食べごろの新鮮さ
イイダコはその場で食べるのが一番美味です。釣り上げた活きの良い状態のイイダコの刺身は最高の味わいです。素材の旨味が口の中に広がり、新鮮な食材ならではの食感を楽しめます。
釣り人の間では、焼きイイダコや汁物、煮物などの調理法も人気があります。お酒のつまみとしてもぴったりです。釣り糸から外したばかりのイイダコを、その場で料理して賞味するのが一番美味しい食べ方なのです。
奥深いテクニック
イイダコ釣りは基本は単純ですが、釣れる釣れないは小さなコツの違いで大きく変わってきます。使う道具の選び方、エサの付け方、アワセのタイミングなど細かなテクニックがたくさんあります。釣れないと落胆しがちですが、少しずつコツを学べば、いつかは爆釣も期待できます。
テクニックを磨いていけばいくほど、イイダコ釣りの奥深さに気づくはずです。仕掛けを水中でうまく動かす技術、底質やターゲットに合わせた道具選び、気象や潮の知識など、学ぶことは尽きません。その一つひとつのコツを身に付けることで、爆釣へと近づけるのです。
イイダコ釣りの基本
イイダコ釣りは基本が大切です。適切な釣り場の選び方や、仕掛けの構造、エサ付けのコツなどを押さえた上で、さらにテクニックを学んでいく必要があります。ここでは基本について解説します。
釣り場の選び方
イイダコが好む場所を選ぶことが何よりも重要です。護岸際の砂地が一番おすすめで、タコの巣が点在する砂地であれば絶好の釣り場となります。岩場も有望で、干潟付近の泥干場なども見逃せないポイントです。
さらに状況によって、良し悪しが変わります。波が穏やかな日は護岸を狙い、風が強い日は内湾の穏やかな場所を選びましょう。干満の影響も大きいので、水位の変化には注意が必要です。場所と状況を見極めて、イイダコの居場所を見つけることが肝心です。
釣り場 | おすすめ度 | 備考 |
---|---|---|
砂地 | ◎ | 護岸際の砂地が最適、タコ巣が点在している |
岩場 | 〇 | 岩場の隙間にイイダコが潜んでいる |
泥干場 | 〇 | 干潟付近がおすすめ |
仕掛けの準備
仕掛けはテンヤかスッテを使います。テンヤは多くの魚種に使えるオールラウンドな仕掛けで、ラッキョウを装着するとイイダコが寄ってきやすくなります。一方スッテはイイダコ専用の底物仕掛けで、引っかかりやすいのがメリットです。
どちらを使うかはその日の状況や、自分の狙い方次第で選びましょう。例えばスッテだと小型のイイダコが多く釣れますが、テンヤなら大物が期待できます。初心者はまずはテンヤから始めると良いでしょう。
エサの付け方
イイダコが反応しやすいエサを使うことで、釣果が格段に上がります。定番のラッキョウはもちろん、ホタテ、カキ、アゲなども有効なエサとなります。生臭いエサが良いとされています。
上手なエサの付け方もコツが必要です。エサに自然な動きを与えたり、匂いがしっかり出るよう小技を使うなどして、イイダコをしっかり誘いましょう。釣り方によってもエサの付け方は変わってきますので、状況に合わせて工夫することが大切です。
釣りのコツとテクニック
イイダコ釣りのコツやテクニックを学ぶことで、上手に釣れるようになります。ここでは、アタリの取り方、アワセの入れ方、アクションの付け方といった基本的なテクニックを解説します。
アタリの取り方
アタリは細かく、見逃しやすいものです。竿先の動きに集中し、微細なアタリを見逃さないよう注意しましょう。さらに道糸の張りにも気をつけ、アタリの大きさを判断する必要があります。イイダコのサイズを想像しながら、アタリの強さに応じた巻き方を心がけましょう。
また、スッテ仕掛けはアタリが来にくいため、ゆっくりと糸を巻いていく「聞き釣り」の方法が有効です。テンヤでもこの方法を取り入れると、アタリを逃さずに確実にヒットさせられます。慎重にゆっくりと巻くことが大切なポイントです。
アワセの入れ方
アタリを感じたら、すぐにアワセを入れるのがコツです。力強くアワセを入れすぎると、仕掛けが千切れてしまう恐れがあります。軽く控えめに、そしてスムーズにアワセを入れるのがベストな方法といえます。
アワセを入れる際、一気に上げるのではなく、少し止めてからゆっくりと巻き上げていきます。巻き上げ速度は状況に合わせて調整しましょう。強引にイイダコを持ち上げてしまうと、外れてしまう可能性が高くなります。焦らず、時間をかけて確実に釣り上げることが大切です。
アクションの付け方
仕掛けに微細なアクションを付ける「小突き」の技術は、イイダコ釣りの決め手テクニックの一つです。オモリから伝わる軽やかな動きを竿先で再現し、イイダコの視界に入れることでアタリを誘発させます。
小突きの動作は、10cm程度の小刻みで速めのリズムが理想的です。長い動きや遅い動きだと、イイダコに見つからずアタリが来にくくなるからです。特に強風時は波の動きで飲み込まれがちになるため、意識して小突きを行う必要があります。釣り場合による小突きの強弱を調整することも大切な技術のひとつです。
釣り場情報
秋のイイダコ釣りに最適な釣り場を紹介します。全国各地の釣り場の特徴と入手情報をご紹介しますので、釣行の計画にお役立てください。
和倉港(石川県)
和倉港は、釣り人に人気のイイダコ釣り場です。港内には砂地が広がり、イイダコ好適地となっています。9月から11月が狙い目の時期で、朝夕が特に釣れやすいタイミングとなります。
和倉温泉観光協会では、釣り用の竿やリール、エサなどがセットで700円でレンタルできます。初心者でも気軽に挑戦できるのが魅力的です。駐車場はありませんが、契約者駐車場を利用できるそうです。釣った後は近くの「浜焼き能登風土 本店」で新鮮なイイダコ料理を堪能するのがおすすめです。
横浜港・東京湾(神奈川県・東京都)
東京湾とその付近の港は、秋のイイダコ釣りの本場と呼ばれています。潮の流れと底質がイイダコの生息に適しているためでしょう。都心からのアクセスも良く、遠方からの釣り人でも気軽に訪れられるポイントとなっています。
しかし、水質汚濁の影響か、近年のイイダコの個体数は減少傾向にあります。釣果はかつてほどではなくなってきていますが、時期が合えば依然大物が期待できます。仕掛けや釣り方のテクニックを磨けば、狙い目の魚が釣れる可能性は十分にあります。
香川県瀬戸内海沿岸
香川県の瀬戸内海沿岸は、古くからイイダコ釣りの名所として知られています。大型のイイダコが生息し、手頃な釣り場も多数点在しています。しかし最近は資源保護の観点から、釣り人のマナーや釣り方に規制が設けられるようになってきました。
釣行するなら事前に最新の情報を確認し、ルールを熟知しておく必要があります。また、イイダコ漁獲量の減少に伴い、小型ルアーを使った釣りが主流になってきています。ターゲットを明確に絞ることで、確実に釣れる機会を狙えます。経験者の助言を仰ぎながら、資源保護に配慮した釣りを心がけましょう。
まとめ
秋の釣りと言えば、イイダコ釣りが一番の風物詩です。手軽に楽しめながらも、奥深いテクニックを求められる面白い釣りです。爆釣の喜びはもちろん、新鮮なイイダコ料理を味わえるのも魅力のひとつ。釣り場の選び方やアワセ、アクションなどの基本を押さえれば、誰でも上達できる素晴らしい釣りです。
釣行前には情報を事前に入手し、ルールを守りながら資源保護にも意識を向けましょう。秋の釣りシーズンが到来したら、ぜひ一度イイダコ釣りに挑戦してみてはいかがでしょうか。新しい発見と出会いが、きっとあなたを待っているはずです。