夏のエギングシーズンが到来しました。
この時期は一般的にはアオリイカのオフシーズンとされておりますが、実は新子が生まれてアオリイカの活性が高くなり、あわよくば春の生き残りを狙ったビッグゲームも期待できる絶好の機会でもあります。
しかし、猛暑や濁りなど、夏ならではの課題も存在します。
本記事では、夏のエギングで高い釣果を上げるためのコツを、さまざまな角度から詳しくご紹介します。適切なポイント選び、装備の選択、テクニックなど、様々なヒントを押さえれば、今シーズンを有意義に過ごせるはずです。
初心者からベテランまで、本記事を参考に夏のアオリイカに挑戦してみてはいかがでしょうか。
ポイント選び
夏のエギングでは、ポイント選びが何よりも重要です。アオリイカの行動パターンや好む環境を理解し、適切なポイントを見つけることが高釣果へのカギとなります。
潮通しの良い場所
夏のアオリイカは、濃い潮から薄い潮への途絶えることのない潮の流れを好みます。そのため、磯の先端や堤防の突端、島影や沖合いの海峡など、潮通しの良い場所が有力ポイントとなります。
こうした潮通しの良いポイントでは、好物のベイトが流れ着くため、アオリイカが付きっきりで待ち構えています。潮の流れに乗って餌を求めるアオリイカの習性を理解し、そうしたスポットを重点的に攻略しましょう。
潮通しの良いポイントではエギが流される事が多く、コツを掴むまでは苦労するかもしれません。初心者のうちは湾内で底を取る練習をして、慣れてきたら少しずつ潮の効いている箇所に移動するのも良いと思います。
シャローエリアとアマモ帯
海底が浅く、藻場が存在するシャローエリアも、高活性のアオリイカを期待できる好ポイントです。活発に動き回るベイトが集まりやすい環境であり、そのベイトを狙うアオリイカが付きっきりで潜んでいます。
特にアマモ帯では、アマモの間に隠れつつ、ベイトを狙うアオリイカが多数います。アマモに絡まないよう注意しながら、こうしたシャローエリアを攻略するのが夏の攻略ポイントです。
藻場ではスーパーシャローなどの限りなくフォール速度が遅いエギを使って表層〜中層付近までを念入りに狙ってみてください。隠れているアオリイカがいれば、エギに釣られて藻場から追っかけてくる可能性があります!
朝夕と夜間の時間帯
アオリイカの活性が最も高まるのは、朝方の「朝マズメ」と夕方から夜にかけての「夕マズメ」といわれています。夜間も、アオリイカは活発に動き回るため、この時間帯にポイントを攻めることをおすすめします。
日中の釣りでも十分アタリはありますが、朝夕や夜間など、アオリイカの活性ピークを狙えば、さらに高い釣果が期待できるでしょう。熱帯夜でも、潮通しの良い場所を重点的に攻めれば、チャンスは十分にあります。
また夜間でも月が雲に隠れた瞬間など、光量の変化によって釣れるタイミングが出てきます。逆に快晴の日中は光量変化が少なくハードモードになりがちなので、できれば夜〜朝にかけて狙いたいところです!
装備の選択
夏のアオリイカを確実に狙うためには、環境に適した装備を選ぶことが重要です。濁りや強い日差し、猛暑など、夏ならではの課題に対応できる装備を用意しましょう。
エギのサイズとタイプ
夏のアオリイカは活性が高いため、大きめサイズのエギを使うのが有効です。主力は3号から3.5号サイズですが、状況に合わせて2.5号や4号などにサイズ調整することもできます。
エギのカラー
濁りの濃い夏場は、鮮やかな蛍光カラーのエギが効果的です。特に朝夕の暗い時間帯には、蛍光ピンクやチャートグリーンなど、目立つ色のエギを使うとアピール力が増します。
一方、晴れた日中は、ナチュラルな地肌色のエギがよく反応することも。時間帯や濁り具合によって、エギのカラーチョイスを変えていくのがコツです。
ラインとリーダー
夏のエギングでは、0.6号程度の一般的に使用される0.8号より細めのPEラインを使うのがオススメです。スムーズなキャストとシャクリの動作が可能となり、アオリイカをしっかり掛けられます。ただし岩場や藻場で擦れる可能性が高い場合には0.8号や1.0号も視野に入れて良いと思います。
自分の釣りをする環境に合わせましょう!
テクニック(初心者編)
夏のアオリイカは、通常よりも活性が高くなります。そうした高活性のアオリイカを確実に掛けるには、上級テクニックをマスターする必要があります。
シャクリの極意
シャクリは、エギングの基本テクニックです。ロッドを振り上げ、エギを跳ね上げることで、アオリイカの食欲をそそります。しかし、単に振り上げるだけでは不十分です。
シャクリの極意は、「タイミング」と「強弱」の使い分けにあります。アオリイカの反応を見ながら、強く跳ね上げたり、小気味よく振ったりとリズムを変え、「フラフラ」と誘うのがコツです。タイミングを計り、アオリイカの口元へ呼び込むようにシャクリを行えば、確実に反応が得られるでしょう。
エギのレンジキープ
アオリイカは、特定の水深の層に集中して行動することがあります。そうした層をしっかりとキープし、エギの動きを見せ続けることが重要です。
まずは試しにエギを沈めてみて、層の位置を確認します。その層に合わせて、エギのレンジをキープしながらシャクリを続ければ、手こずらずにアピールできます。日によってその層が変わることもあるので、その都度レンジの調整が求められます。
スプリットショットリグ(上級者向け)
濁りがひどくなった時は、スプリットショットリグも有効です。重りを取り付けることで、濁りの中を確実にエギを通過させられるのが最大のメリットです。
しかし、逆に濁りが小さい時は重りがかえってマイナスとなります。状況に応じて、スプリットショットリグを使うかどうかを判断することが大切です。エギングには柔軟な対応が求められるのです。
ローテーションと探り釣り
ただひたすらポイントを攻めるだけでは、なかなか思うような釣果は得られません。夏のエギングでは、こまめにローテーションしながら、探り釣りを心がける必要があります。
ポイントの切り替え
時間帯によって、アオリイカの気配があるポイントは変わってきます。それに合わせて、幾つかのポイントを切り替えながら攻略することが大切です。
例えば、朝はシャローエリア、日中は磯先端、夕方は堤防際と、時間によってポイントを使い分けましょう。ただし、あくまでも目安なので、実際の状況に合わせて柔軟に対応することが肝心です。
エギのローテーション
アオリイカは頻繁に同じエギに見慣れてしまうと、興味を失ってしまう生き物です。そこで、同じエギを使い続けるのではなく、数種類のエギをローテーションさせて使い分けることが重要になります。
例えば、シャローエギ→スモールスッテ→キャロライナリグなどと使い分けていくと良いでしょう。同じポイントを攻める際も、エギを変えながら反応を探るのがコツです。
長時間の釣行を避ける
夏は気温が高く、熱中症のリスクが高い季節です。そのため、長時間の釣行は避け、2〜3時間に1回は休憩を取るよう心がけましょう。
短時間の集中攻めを行い、その合間に十分な休憩を取ることで、体力の消耗を最小限に抑えられます。濡れタオルやクーラーボックスなどの対策グッズも活用して、夏場に備えましょう。
地域別の狙い方
アオリイカの生態は地域によって異なるため、地域に合わせた狙い方のコツが存在します。本州の太平洋側、東北、北海道など、地域別の攻略ポイントを押さえましょう。
本州太平洋側
本州の太平洋側では、既に夏のアオリイカシーズンが到来しています。この地域は伝統的なアオリイカの的地であり、釣り人の間でもっともポピュラーなエリアです。
ここでは、アマモ帯やサラシ下、波打ち際の潮通しの良いポイントを中心に攻略するのがおすすめ。梅雨の時期は釣りにくくなりますが、河口付近や湾内など、雨の影響を受けにくい場所を狙えば十分な釣果が期待できます。
東北・北海道地方
東北や北海道地方では、夏にかけてアオリイカのシーズンが訪れます。近年、大型のアオリイカが多く姿を見せるようになり、魅力的なフィールドとして注目を集めています。
この地域では、大潮の満潮時に堤防や突堤といった潮通しの良いポイントを重点的に攻めるのがコツです。また、岩礁地帯では大物アオリイカを期待できるでしょう。日の出前後の明るさの変化が狙い目の時間帯となります。
その他の地域
アオリイカは全国的に分布しているため、上記以外の地域でも釣り込める可能性は十分にあります。地元の釣り人に聞くのも良いですし、独自の探索を行うのも面白いかもしれません。
それぞれの地域で、ポイントの特性やアオリイカの生態を探っていけば、新たな釣り場が見つかるかもしれません。地域に合わせた装備の選択や釣り方のコツを見つけていきましょう。
まとめ
夏のエギングでは、適切なポイント選び、装備の選択、テクニックの習得が重要です。加えて、ローテーションと探り釣りを怠らず、こまめな動きを心がけることも肝心です。地域による違いも意識し、その上で各地域の事情に合わせた対応をすることで、確実に高い釣果を期待できるでしょう。
エギングの醍醐味は、アオリイカの高い活性と引きの強さにあります。力強い引きを味わえるビッグゲームは、夏にこそ期待できる醍醐味です。熱中症などの健康管理に気をつけながら、存分に夏のエギングを楽しんでみてはいかがでしょうか。